Tobacco-free 宣言

毎年、5月31日はWHOの定めた「世界禁煙デー」であり、第17回日本抗加齢医学会総会の会期中は「禁煙週間」(2017年5月31日~6月6日まで)にあたります。毎年600万人がたばこ関連疾患による死亡とされ、たばこへの対応をしなければ2030年までにこの数は800万人になると予想されています(※1)。たばこは健康への脅威になるだけでなく、国の医療費を上げることで財政を圧迫し、個人の生産性を下げ、貧富の差を生み、貧困を悪化させる重要な一因と言えます。また、受動喫煙による健康被害も大きな問題となっています。
日本抗加齢医学会は、「健康長寿を全うするための科学」の追求を目指し、17年間活動をしております。また、酸化ストレスとしての喫煙の有害性について当初より啓発してまいりました。健康寿命を延ばすことで、それぞれの人生のQOLが上がり、年を重ねても生産性を上げることが可能となり、幸福な時間としての健康長寿が実現します。さらにマクロな視点でみれば、日本の国家予算を脅かす医療費を抑制することにつながります。たばこは健康寿命にインパクトを与える大きな要因であると同時に、社会の持続可能性をも脅かす要因となります。しかしながら、日本の喫煙率は先進国と比べて男性の喫煙率は29.7%とOECD平均を上回っています。
本件の重要性をふまえ、世界禁煙デーのこの日、日本抗加齢医学会は、「Tobacco-free 宣言」を発表します。会期中、喫煙ルームには、たばこの健康被害に関するメッセージボードを掲示します。また、総会参加者から寄付を募り、この費用をWHOに寄贈するなどの活動を行ってまいります。

※1 「WHO2011年世界のたばこの流行に関する報告」
http://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/tobacco_policy/files/mpower_2011.pdf

<会員自身の努力>

  1. 日本抗加齢医学会(以下、本学会)会員は、現在非喫煙者である場合にはこれを継続し、また喫煙者である場合には非喫煙者となることを目指す。
  2. 会員が所属する施設の敷地内禁煙化を推進する。
  3. 喫煙する抗加齢ドック健診受診者や特定保健指導受診者に対し、禁煙指導を行う。

<学会としての努力>

  1. 本学会は、喫煙ならびに受動喫煙が健康を害することを社会に啓発するとともに、禁煙を推進させるための社会的活動を行う。
  2. 本学会は、包括的な喫煙対策を推進するための諸施策について、関係各所への働きかけを行い、たばこのない社会の実現を目指す。
  3. 本学会は、禁煙活動を推進する他の学術団体の活動に積極的に連携・協力を図る 。
  4. たばこの健康への悪影響のさらなる解明、効果的な禁煙方法の開発、その他わが国のたばこ規制に資する研究を推進する。
  5. 抗加齢医学研究、診療に携わるすべての医療従事者に広く禁煙を働きかける。
  6. 本学会の運営する総会・学術集会、専門医・指導士講習会、及び、分科会講習会をはじめとするすべての催事の会場施設内を完全禁煙とする。
  7. 他団体催事への後援、また、本学会専門医・指導士認定単位を他団体催事に付与する場合、その催事の会場内完全禁煙を条件とする。